スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

あったような、ないような

夜、近くの神社へ。

菊池商店は閉まっていた。
ここは駄菓子屋、居酒屋を兼ねていたが、ここの店主のバーサンは腰痛が圧巻して寝込んでいた。

そこに貼られていた選挙ポスターと、アンティークショップから持ってきたんじゃないかと思われるような隣のオロナミンCを持っている大村崑の写真がそっくりで、なぜかわざとらしさすら感じた。中から蚊取り線香の匂いがしてきた。鼻腔にしみこんでいく。

田んぼで蛙が合唱していた。騒がしくてもはや合唱か輪唱かわからなくなってきた。軽トラが通りすぎる明かりで、何かの虫らしきものがはっているのが見えた。


境内へ行くための長い石段の前に祭りの露店が並ぶ。
襦袢にステテコ姿のバカボンのパパか寅さんか、そんな冗談のようなファッションのおっさんがたばこを吸いながら焼きそばとフランクフルトを焼き、ヤンママを絵に書いたような金髪のご令嬢が飴玉をしゃぶりながらワタアメを作ってたり。

家族連れ。カップル。外人さん。祭りの実行委員。村に一つしかない人ごみ。そこでは浴衣を着たクラスの女子たちが固まって、露店で買ったジャニーズのアイドルの写真を持って盛り上がっていた。

石段を上がる。灯籠がうすぼんやりと光る。火色、水色、雲色、土色、桃色。

神主の過剰サービスにもほどがあるだろう、魔王城かよ。いやダーマの神殿か。少し怖い一人きりの暗がりでの精一杯の悪態。

控えてる狛犬二体が、地獄の番犬に見えてくる。噛みつくんじゃないかとすら思えてくる。親が、すみやで借りてきたレンタルDVDのゴーストバスターズで、二体の地獄の番犬みたいなやつが出てきたのも思い出した。


上に上がる。境内がみえる。そこには堀内がいた。朝顔がそこら中にプリントされてる白い浴衣を着ていた。いつもポニーテールにしてるが、今日は髪を結んでなく、髪を下ろしていた。
母親がどこかヨーロッパの国の人らしく、青い目のフランス人形が和服を着てるみたいだな、と妙な感覚になる。

露店で買ってきたのか、子供らしくなく、ひょっとこのお面を頭にかけていた。


「こんばんは」
「ども」
「どう?」
「何?」
「いやいや」
「ひょっとこ?」
「そこかい」
「朝顔」
「もう一声」
「ん、高下駄?」
「高くねぇし。わざとっすか?」
「君」
「ストレートすぎるわ」

このつっこみだけ
やけにゆっくりと、おだやかだ

花火が始まった
境内に座る。

すぐそばにあり小さい社の、狐の石像二体が笑ってる気がした。

「ねえ、手つなごうか」
「行くな、ずっとここにいてくれ」
「ねえ、キスする?」
「大事にするから」
「私を連れて逃げて」
「一緒に暮らそう」
「ねえ」いつもこういうのは堀内

「辞めようか、昼ドラごっこ」
「ん、だね」
「夜言う事じゃないしね」
「昼に言うから、いいんだろーな」
「今度は政治家パーティーごっこ?」
「原発安全委員会ごっこも捨てがたい」
「いやいや、基準わからんし」
「簡単だよ。直接人体に影響はないっていえばいいから」
「そういうの、ネットかなんかで」
「さあね」

ざわざわと神社の松の木が揺れる。

ネタ見せで神様が笑ってくれてるみたいだが、やっぱり怖い
スポンサーサイト

Comment

非公開コメント

プロフィール

いとう緑茶

Author:いとう緑茶
いとう緑茶(いとうりょくちゃ)って読むらしいですよ、たぶん)という名前で声優業をちょこちょこ。
twitterは@siropaaでいたりなんかしてまして。
朗読集団☆ボイスドリル所属
朗読集団☆ボイスドリルのらじどりっ

http://www.voiceblog.jp/voice03dri11/

ブログでは敬称略の場合もございますので、ご容赦いただければ
まずはひとまず。
よろしくどうぞ。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。